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「英語」の習得は「日本語」の基礎が肝心

札幌の自然環境は、地表が一面雪に覆われて真白になる期間が何ヶ月も続く、という「白一色の世界」を経験できる、という恵まれた土地柄です。

2月は、まさにその中心の月です。暦の上では立春を迎えて春のはじまりの月ですが、寒さも雪の降る量も一年中で一番になり、インフルエンザの流行期も続いています。どうぞ、お子さまの健康管理には充分ご留意下さい。園でも万全を期して参ります。

さて、この時期になりますと、お子さま方の英語習得力もめざましく伸びて、年中組のお子さま達の大部分は英語を大脳内にインプットする「沈黙期間」も過ぎて、少しずつ積極的に英語で話しはじめる「模倣状態」(アウトプット)を楽しむようになってきています。

英語の習得は、この沈黙期間からの脱出までがバイリンガル教育の勝負どころなのです。

今回は、私が半生をかけて研究し、実践に取り組んできて、更に今年の4月からの国の「学習指導要領」の改訂に示唆を与えたイマージョンプログラム(高校では、英語だけで英語指導を行うようになる)をはじめとする私の幼児期からの英語教育の実践理論を述べさせていただきます。

先ず最初にお断りしておきますことは、「早く始めれば英語がペラペラになりますよ」など、という類の幼児英会話熱とは明確に一線を画していることを明言しておきます。

その上で、本園の英語教育(バイリンガル教育)の基本的な考え方と、特色を大きく3つに分けて述べさせていただきます。

その第1は、「母語は祖国」という理念に立ったバイリンガル教育、ということです。

日本人として、先ず第一に習得するものは日本語です。日本人にとって日本語は、すべての知的活動の基礎であり、これが確立されていないと、思考の基盤が得られず、内容の空疎な人間にしかなれません。母国語は、文化伝統=民族としてのアイデンティティーなのです。この母国語のあとに習得することばは、何語であろうと、民族としてのアイデンティティーにはなり得ないのです。

つまり、ことばの元木は日本語で、第2言語の英語は「接木(ツギキ)」です。私は幼稚園教育の中でのバイリンガル教育にあたって、この「接木(ツギキ)の理論」を完成させました。

次は、幼児期の大脳内のL.A.D.(Language Acquisition Device 言語習得装置)の活動による普遍文法(Universal grammar)理論に基づく英語習得教育のためのイマージョン・プログラムの実践であります。

そして最後の第3は、2段階教授法の開発です。第1段階は5歳までの「習得ステップ」(会話英語)、第2段階は、5歳以後の「学習ステップ」(文法英語)です。

子ども英語から大人(文法)英語への移行を完成させる教授法の実践であります。

今月も楽しい毎日になりますよう汗を流します。どうぞよろしく。

2009年02月05日