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「人生に期待をもつ人間」につながる大切な幼児期

 園内にはお子さま達がつくったクリスマス製作が飾られ、玄関にある大きなツリーを見ては朝も帰りも「きれいだね!」「早くサンタさん来ないかな?」と笑顔で友達と話す、クリスマス一色の12月。「サンタさんが見ているから…」と上げにくいジャケットのジッパーに何度も挑戦したり、「サンタさんに届けるから…」とひらがなやカタカナを教師に聞いて、一生懸命手紙を書くお子さま達。サンタさんの力はお子さま達の成長に大きな影響を及ぼしている、と関心させられた12月でもありました。

 さて、SNSからの情報、SNS上でのつながりが生活の大部分を占めるようになった現代。SNSからの“情報=言葉”に頼って行動する機会が多くなり、言葉以外の情報を処理する右脳が成長せず、未熟になっている人が増えている、と言われています。また、価値観の合う者同士でかたまる傾向が高まり、SNS上の仲間内だけで呟くことで、安定感は得られるものの、逆に新しい人間関係の場所へ行けなかったり、異質なものへの不安感の高さで、新しいことへの挑戦意欲が湧かないため「生活への不満はないものの、人生への期待値は低い」という、若い人の意識結果が出ているそうです。

 お子さま達は日々幼稚園でたくさんの友達や教師と出会い、色々な自分と違う考え方の人とかかわり合う中で過ごしています。その中でもちろん、自分の思い通りにいかなかったり、注意されたり、やり直しをさせられたりします。その時は「嫌だな」という気持ちや不満な気持ちも感じますし、どうにか解決するためにエネルギーを使います。

 しかしその「自分とは違う考え」や「うまくいかないこと」は時に必要で、それを経験することによって、「新しい自分の成長」につながります。またお子さま達の日々の挑戦、葛藤は、大人になった時に立ち向かう「強い心の基礎」に必ずつながります。

 サンタさんのために力を発揮できる「素直な」幼児期、そしてボロボロになるくらい図鑑や辞書を読みあさり、北風公園では草木や虫をよく観察するなど「好奇心・学ぶ意欲」が旺盛な幼児期、そして色々な人やものとかかわり「よいことも嫌なことも日々経験し乗り越えている」幼児期の日々の経験を大切に、「将来へ期待をもち、新しい自分を常に開拓できる」お子さまを育てたいですね。

 長い冬休みも、ぜひお子さま達が自分達で見て、聞いて、いろいろなことを感じ、「冬休み、こんなことをしたんだよ!」と目をキラキラさせて戻ってきてくれることを楽しみにしております。そして各学年の集大成になる3学期もより充実した教育活動を実践できるよう、環境を整えて参ります。

 今年も大変お世話になりました。ご家族でどうぞよいお年をお迎え下さい。

2021年12月22日