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人間は「学習して」幸せに生きるもの

北国、札幌の短い夏のはじまり7月になりました。

園では、1学期のしめくくりの月です。

4月から4ケ月のお子さま達の心身の成長発達をふりかえり、確かめて園長の私をはじめ教職員一人ひとりが反省と自己評価を冷静にくだし合う厳しい月でもあります。

それにつけましても、お父さま・お母さま方には園の運営につきまして、何かとご不便やご不満もおありだったことと存じますが、大変温かく力強くご支援ご尽力下さいましたことに、園長として改めて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。

さて、今日、7月1日は国の定めた「国民安全の日」であります。日本国民の一人ひとりが日常生活のあらゆる面において、施設や行事の安全について反省を加え、その安全確保に留意し、これを習慣化する気運を高め、安全を脅かす災害の発生の防止を図るために、今から52年前の昭和35年(1960)に制定されました。しかし、それにも拘らず豪雨(台風)・地震・津波などの自然災害は多くの日本国民の生命と財産を奪い続けています。二度と帰らない尊い人間の生命が失われてゆくことは、悲しく言葉を絶するものです。

園での日々の「安全教育」が、將来の日本人の悲しみを取り去る役目を果すことを願って私は幼い心に残る取り組みをはかってきました。

さて、少し話は変りますが北海道では函館と網走地方がお盆は7月15~16日です。他の地域より1ケ月早く行うのです。お盆というと、お墓参りとか、亡くなった大好きなお爺さまとかお婆さまのことが話されるでしょう。

クリスマスでサンタクロースの実在を信じている年齢のお子さまたちに余り「死」を強調しないで欲しいのです。

幼児には、「死」におびえさせないことです。死におびえて、心の発達が損なわれてしまうからです。死が恐くて眠れないお子さまには、「あんたが大人になる頃には、人はもう死なない薬ができているよ。だからあんたは死なないよ。もしかしたら、パパもママもその薬の完成に間に合うかもしれないナァー」

ご両親は、自信をもってお子さまに「あんたはしなないでずーっと生きているよ。」と、安心させることが先決です。

アメリカ生まれでハワイ大学大学院哲学研究科出身のカール・ベッカー博士(Carl Becker)は、宗教心理学(死生観・倫理観)の研究で日本仏教の取り子になり、日本に渡って京都大学教授をつとめていますが、博士は「日本の教育に欠けているのは死の教育だ」と断じていますが、私は賛同できません。なぜならキリスト教文化の中では「死後は天国へ還る」のですが、仏教文化の中では「死後は六道輪廻を続ける」という違いがあるからです。

暑中お見舞申し上げます。

2012年07月05日