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大きくなったら「何になりたいの?」

毎日、暑い暑いのことばを繰り返す8月になりました。20年くらい前になりますが、一年中で「暑い!」と「寒い!」のことばを日本のどの地方に住んでいる人が一番多く口に出すかを調べたミニコミ紙を見たことがあります。全国と札幌との比較では、「暑い暑い」は札幌がだんトツで、「寒い寒い」は名古屋でした。京都や名古屋の夏の暑さは、札幌人にはとても耐え難いものですが、一方京都の冬の寒さも軽く見ることはできません。季節に感じる暑い、寒いは、体験の多少によって生じる感覚作用といえるかも知れません。

今年、私が一番心配しましたのは、4月・5月の低温の頃でした。今年は春や夏の季節が来るのだろうか?、と毎日心を痛めていました。もし、冷夏だったら「親離れ、子離れの自立を促すセカンド・スクールでの宿泊体験」をどうしたらよいだろうか、とか、これに代る体験活動に何が考えられるだろうか……などなど、4歳・5歳の幼児の夏の体験に欠くことのできない「自立」を促す教育活動について思案しました。しかし、これも取り越し苦労になってホット胸をなで下ろしております。

さて、子どもは「時代の変化」とともに、想像もできないくらいのスピードで変ってゆきます。その一つに、子ども自身が考える「子どもの大きくなったら(将来)なりたい大人像」があります。子ども時代の宝物のようなものです。あこがれや期待や大きくふくらんだ「夢」でもあります。

今年はきっと、男の子はこぞってサッカー選手でしょう。ワールド・カップの年であり、日本チームと日本選手の大活躍が、この夢に一層の拍車を掛けていることでしょう。

そこで、お子さまがお父さまやお母さまに今の年齢で「わたし(ぼく)は、大きくなったら◯◯◯◯になりたいよ。」と、お父さまお母さまに目を輝かして、話して(訴えて)くれたら、お父さまやお母さまのご返事の第一声は必ずその訴えを「肯定」することばでかえして下さい。絶対に「否定」することばかけはしないで下さい。(例え、ご両親の意にそぐわない訴えであってもですよ)何故か、といいますと、お子さまの「夢」は98%、次々に変化してゆくものであり、親が、その前に立ちはだかってしまいますと、逆にそのまま意識の中へ固定されてしまうからです。つまり、否定せずに「大らかに、マジメ(茶かさないで)に聞き流す」ことです。

幼児期のお子さまと将来の職業を語り合うときは、

第1には、「大人になったらみんな幸せになるために仕事について働くこと」を幼い心に浸透させること。

第2には、「働いている人は、みんな一生懸命で、職業には上下貴賤の別のないこと」

第3には、「仕事は自分のためだけでなく、社会全体のために役立っていること。」を話してあげて欲しいのです。

園では、お父さま(お母さま)の職場見学でお世話さまになりました。お子さまたちの声を次号でお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

2010年08月05日