HOMEMESSAGE FROM IYK > 時代の変化を見据えた教育の実践

時代の変化を見据えた教育の実践

お子さま方のご入園・ご進級おめでとうございます。

今年も元気で、聡明な沢山の可愛い新入園児の皆さんをお迎えして、新しい年度の扉を開くことができました。教職員一同心から歓迎いたしております。

昨年の10月以来、世界の経済環境はアメリカを震源地にして大揺れに揺れ、混乱し続けております。まさに世界恐慌の様相を深めております。ここ20年間くらいの日本社会の動向を振り返ってみますと、「改革」を旗印に制度の改廃をはじめとして、社会の枠組みやスキーム(scheme)までが大きく変えられ、国民の意識や価値観さえも揺らいできました。このような状態は「教育」にとっては、決して好ましいものではなく、幼児をはじめ学校教育途上にある子どもたちを安易(easy)な生き方に誘導してしまいました。私は、そうした生活意識や態度を「何とかなる主義」と呼んでいます。

しかし、現実の世の中は、そんな甘いものではありません。何一つ「何とかなるようになるものはありません。」すべて「自業自得」(自分の行ないの結果は、自分が受ける)の世界なのです。今まで、何とかなる主義で育ってきた若者達にとって、これからの自業自得社会は、生き苦しさばかりになることを私はとても心配しております。それは、夢も希望も持てない世の中が20年くらい続くからです。

こんな近未来社会を「自分らしく、生きがいを持って堂々と生き抜いてくれる生きる力」を本園の幼稚園教育の中で逞しく、健全に育み、培い、伸ばすために、私たちは今年何に力を入れた教育を実践してゆくか、を述べさせていただきます。

その第一番目は、私達はお子さま一人ひとりを温かく深い「愛情」で受け入れ、お子さまとの間に強い「信頼関係」を固く結びます。

次は、人生にとって大事なことは、時代がどんなに変ろうとも、日本人として身につけなければならない変らないもののあることを気づかせ、習得させます。つまり「不易と流行」を常に念頭においた教育をします。

三つ目は、「行動科学」(Behavioural Science)の手法で「理解力」を深め、進んで行動に移せる教育の効果を高めてまいります。

そして、第四番目には、どんな状況の中でも「ユーモアとウィットを愛する快活な人柄で常に「生きる歓び」を一生涯持ち続ける人間に育てて参ります。オーストリアの精神科医で心理学者のヴィクトール・フランクル博士は、「どんな時も、人生には意味がある」という著者の中で「生きる意味」を教えています。

どうぞ今月もご家族仲良く楽しく参りましょう。

2009年04月05日