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「生きる力」をはぐくむ「学力教育」

一学期の総仕上げの月、7月になりました。6月の第2週と第3週の土曜日には、今年度最初の「参観日」(Open day or Open house)を行わせていただきました。今年は特に沢山のお父さま方の出席があり、お子さま達も普段と少し違った緊張感で頑張っている姿が、私にはとても微笑ましく感じられました。ご出席下さいましてありがとうございました。

新しい「教育課程」や「フォトガイド」で、ご案内しておりましたように、今年の園の重点教育方針は、「生きる力を育む学力教育の実践」であります。

幼稚園で、お子さまの幼児期に生活習慣化しておかなければならない大事なことは3つあります。1つ目は、「早寝・早起き、元気に挨拶、朝ごはん」です。2つ目は、「人の話をよく聞けること」です。人の話を聞いているときは、大脳のはたらきは、とても深く考えているのです。「考える力」は、話しているときよりも聞いているときの方がはるかにつきます。3つ目は、「本に親しむこと」です。お母さまやお父さまに絵本を読んで貰うことからはじまり、気に入った本は、何回でも何回でも読んで貰って、自分の大脳の中へイメージとしてインプットし、そのストーリーが、次第に「知的好奇心を増幅」して行って「勉強の楽しさ」へ発展してゆきます。「字」を急速に覚えはじめるのも本との出会いが最初になります。

私は永い教育生活の中で、自信をもって断言できますことは、「本の好きなお子さまは、小学校・中学校…へ行っても勉強にはほとんど心配のいらない人に成長いたします。」

字を覚えて、自分で本を読むようになりますと、読書は「想像力」を働かせ、これから起ることへの期待や不安が、めまぐるしく脳の思考回路を働かせていくわけですからフィンランドでは「読書」イコール「勉強」と同じ意味に受けとっています。

さて、1学期が終りますと、8月にかけて長い夏休みになります。もちろん可愛いお子さまたちは、一日一日めざましい勢いで心身共に成長し続けております。このような姿に安心して、ご両親や大人達が忘れがち、見逃しがちになることがあります。

それは、人間の本質がそうでありますように、「幼児は寂しさをガマン」しています。

特にお母さま方、このことを忘れないであげて下さい。「親が心をかけたぶん、その思いが子どもの心に残る」といわれます。

お子さまが、がんばったとき、夜寝つかせるとき、「しっかりと、抱き締めて、頬ずり」してあげて下さい。お子さまは「発達」という生きものとしての人間のルールに従って、成長しているように見えますが、「寂しさ」という人間の本質は、大人になっても、死ぬまで消えないもののようです。

紫外線に注意して楽しい夏を迎えましょう。

2008年07月05日