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歯は、いのちの保証人

爽やかな6月がやってきました。一年中で私が大好きな月の一つです。ご父母の皆さまは如何がでしょうか。

さて、去る5月にはゴールデン・ウィークを挟んで「家庭訪問」を行わせていただきました。皆さまには何かとご繁用の中をお差し繰りいただき、時間をお取り下さって、担任教師と親しくご懇談いただき、お子さまについての共通理解を深めさせていただけましたこと、園長として厚くお礼申し上げます。

その結果は早速お子さまの園での生活態度に現れてきています。何より強く感じますことは、園でのお子さまと教師との距離が、ぐんと近づいた感一入です。お子さまにとって、お母さまと先生とが親しく話し合う姿くらいに嬉しいことはないのですね。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

さて、6月といえば「歯の衛生週間」が6月4日からはじまります。在園するお子さまのお父さまやお母さまの中には大勢の歯医者さまが居られます。常日頃から幼児の歯の健康についてご指導いただいておりますことにも、この機会に改めて厚くお礼申し上げます。

今日、私からお伝えしたいと思いますことは、「人間の成長や発達について、乳歯と永久歯の生えかわりの持つ重要な意味」づけについて、幼児教育との関係で申し上げたいのです。

人間にとって歯の芽生えは、妊娠6週目の「胎芽期」にはじまります。耳の形成期とだいたい同じ頃です。妊娠6週目のお母さまのおなかの中で芽生えた人間の歯は、生後6ヶ月ころから生えはじめて、3歳ぐらいまでに全部で20本生え揃う「乳歯」と、6歳ごろから乳歯の生えた順に抜け代わって、15歳ぐらいまでに28本(親知らずが生え揃って32本)生え揃う「永久歯」の二段階で完成します。

幼児教育にとって、ものすごく重要なことは、この乳歯の生えはじめから永久歯への生え代わりの7~8年間の幼児の「能力」(特に脳内発達)の驚異的な「活性現象」です。この活性現象の代表的なことは二つあります。

一つ目は、この時期、幼児の大脳のL.A.D(Language Acquisition Device)という生理的な「言語習得装置」の機能がめざましく発揮され、習得環境に恵まれていると二ヶ国、三ヶ国の「ことば」を幼児期に無理なく習得できるのです。(本園の実践理論です。)

もう一つは、幼児期の全ての能力の中心核は「好奇心」(Curiosity)ということです。幼児期の心の動きは、「意志」(あ、おもしろそう、やってみたい)の次に「感情」(やっぱり楽しかった)へ移り、更に「思考」(もっと楽しくなるように工夫しよう)へと発展してゆきます。この流れは、永久歯完成後(思考→感情→意志)の心の動きとは全く反対なのです。

歯は一生の何よりの宝です。大事にお守り下さいね。

2008年06月05日