HOMEMESSAGE FROM IYK > 「生きる力」が漲(ミナギ)る「早寝・早起き・元気に挨拶・朝ごはん」

「生きる力」が漲(ミナギ)る「早寝・早起き・元気に挨拶・朝ごはん」

五月晴れの青空の中をからだ一杯に春風を吸い込んで泳ぐ園庭の鯉のぼりのように、お子さま達が生きる力を思い切り発揮しはじめる季節になりました。

新入園のお子さま方には少し疲れが出ていませんか。お大事にして下さい。

さて、幼児教育は人生で只一回の教育であります。幼児期のめざましい心身の成長発達の一時、一時に的確に対応することが求められる一生涯に只一度のチャンスにめぐり合う教育ということができます。(One chance education)

幼児期に受け損じたからといって、児童期以降に受けて効果のあがるものではありません。しかも、臨界期に対応してこそ、はじめて一生涯の宝になり、糧になる教育であります。その一つに幼児期の「躾」といわれる生活習慣の定着があります。

人間の原始本能に対応する習慣づけです。「食欲」「睡眠欲」「人間関係欲」に係る習慣づけです。

米食を中心にしてきた私達日本人は、一日に必要なエネルギーを3回の食事で摂取しています。なぜ一日3食必要なのかご存知ですか?特に幼児期のお子さまにとって欠かすことのできない食事は「朝食」です。

食べものの中に含まれる「糖分」は、食後4時間ほどでほぼ吸収され尽くします。人間の活動をコントロールしている「脳」は、他の臓器とは異なり、ブドウ糖(Glucose)のみを摂取します。そのため、食後4時間を過ぎると、脳は糖分を一時的に蓄えている肝臓からグリコーゲンを取り出し、血糖として脳へ供給します。ところが肝臓が貯蔵できるグリコーゲンは、約半日分しかないため、新陳代謝の活発な幼児期では朝食をとらないと、就寝時から昼食をとるまでブドウ糖を補給できなくなり、血糖値が低下して脳の働きが悪くなってしまいます。

朝食をしっかりとるには、少し早起きが必要です。「早寝・早起きの習慣」を身につけることが大事です。特に幼児の脳と体の発達に関係しているホルモンは、就寝中に分泌されるため、早寝早起きの規則正しい睡眠のリズムを守ることが、お子さまの健全な成長には不可欠なことです。

幼児の成長と重要な関わりを持つ主なホルモンには、夜の9時から12時くらいの間に眠りに入ってから4時間の間分泌される「成長ホルモン」が第1に重要です。このホルモンは、新陳代謝を促し、骨や筋肉の成長を助け、学習能力を高める働きをします。第2は、情緒を安定させ、性の成熟をコントロールする「メラトニン」で夜中の12時頃に最も多く分泌されます。赤ちゃんの夜泣きや、児童、生徒の暴力行為や引きこもりやいじめや登校拒否は、メラトニン不足が原因といわれます。

この他に、幼児の睡眠に深く関係のあるACHT(副腎皮質刺激ホルモン)は夜中の2時頃から分泌され、「やる気」や「集中力」のもとになります。朝の気持ちよい目覚めをつくるコルチゾールも朝の4時頃に分泌されるホルモンです。充分な睡眠から目覚めたら「元気に挨拶」です。「お父さま・お母さま!お早うございます。」この朝の挨拶が大人になってからの国際コミュニケーション力を持つ大事な基礎になるのです。お父さま、お母さま、園と一緒に可能性豊かな健康なお子さまに育てましょう。

2010年05月05日